JICA事務所から、学校保健隊員の活動用に衛生啓発ポスターが配布されました。
とりあえず職場に1枚。
これはおもに小学校に通う子供たち向けですが、内容はこんな感じです。
【中央上】蚊帳の中で寝ましょう。(マラリアなど蚊が媒介する病気を予防するため)
【左上】ちゃんとトイレで用を足しましょう。(子供たちは草むらなどですることも多い)
【右上】食べる前やトイレの後にはちゃんと手を洗いましょう。石鹸も使いましょう。(まずは手を洗う習慣自体をつけないと)
【中央】ミネラルウォーターや煮沸した水など、適切な水を飲みましょう。(雨水や不衛生な井戸の水をそのまま飲み、赤痢やコレラなどに感染します)
【左下】靴を履きましょう。(子供たちは裸足でいることが多いが、外にはガラスや金属片が散乱しているので危険。またゴミも散乱してるためその傷口から細菌が入り悪化)
【右下】ゴミはゴミ箱に捨てましょう(校庭でも道ばたでもそこらじゅうにポイ捨てしています)
【中央下】薬は適切に飲みましょう。(ちょっと微熱があるだけでマラリアの薬を飲んだり(いざというとき効かなくなる)、逆に必要な時に飲まずに重症化したりします)
実際は、そもそも学校にトイレが無かったり壊れていたり、石鹸が無かったり、お金が無くてミネラルウォーターや靴は買えなかったりと、現実的に一筋縄ではいかない問題がいくつもあります。
しかし、少しでも現状を改善することはできます。
このポスターを各学校に配っていくわけですが、枚数も限られているしただあげるだけだとあまり効果がなさそうなので、一クラスずつ回って説明をし、全クラス回ったら最後に校長に渡して好きなところに貼ってもらうことにしました。
クラスごとに説明するといっても、私がするのではなく敢えて先生にやってもらいます。
私が単に説明して回るだけでは「あぁ外部からの訪問者がなんか大事なことを言ってるな」で終わってしまい、持続しない可能性があります。
しかし子供たちにとって親しい存在である先生が説明すれば、説得力があるし一度きりの啓発で終わらなくて済むかなと。
そして先生に説明してもらうことにより、じつは子供達だけでなく先生にも啓発の効果があるだろうなと思っています。
先生自身も子供たちに「こうしなさい」と説明した以上、ポイ捨てしたりできないですからね。(まぁ現実はそう上手いこといかないですが)
…と、ここまでが建前の理由で、本音は「私が自分で説明できないから」です。笑
フランス語が日常会話でさえままならないのに、教室で何十人もの子供たちの前でこれらを説明するのは現在の自分にとっては残念ながらレベルが高すぎます(泣)
先生にいきなり「自己紹介して」って言われただけでだいぶ緊張してしまうのに。
でもずっとこのままではまずいので、いつかは自分で流暢にフランス語で啓発活動をしてまわれるようになりたいなぁ…と思うだけ思ってみます。
ということで、こんな感じで各クラスで「ミニ保健授業」をやってもらっています。
カメラに気を取られている者多数…
それにしても、先生たちが予想外にうまく説明しているのに驚きました。
みんなポスターの絵を見ただけでそれぞれ何が問題でどうすべきかわかってるし、「なんだ、知ってるじゃん」と。
そして突然の訪問なのにちゃんと説明できるアドリブ力も感心しました。もしかしたら日本人よりも柔軟性がある人が多いかもしれないなぁ。
ただ、この学校がたまたま優秀なだけで、学校によって大きな差がある可能性もあります。
そういう学校ほどやりがいがあるとは思うのですが、地道にボトムアップしていきたいと思います。